ボールを抱えて寝転がり、勝っていれば靴ひもを三度結び、交代のときはピッチを一周お散歩。そんな時代に終止符。2026年W杯は時間稼ぎの総合セットに狙いを定めた新ルールを並べてきた。誰もが知るあの場面とともに見ていこう。
サッカーは大好きだが、誰しも一度はリモコンを投げたくなる。1対0、後半アディショナルタイム。キーパーがボールを抱えて空を見上げる。1、2、3……。コーナーフラッグの方では交代選手が宇宙の気を受けながら、ゆっくり、とてもゆっくり歩いて出ていく。そしてどこかで、かすっただけの選手が五回転がる。これが上品にtime-wastingと呼ばれる芸術だ。
FIFAとIFABがついにこの芸術にメスを入れた。2026年北中米W杯では時間稼ぎを狙い撃ちするルールが続々導入される。理屈は単純。もたつけば損をする。あの場面がどう変わるのか、一つずつ見ていこう。

キーパーがボールを保持できる時間が8秒と明文化された。主審は手を挙げて5秒のカウントダウンを見せ、その間にボールを離さなければ相手のコーナーキックだ。
以前から「6秒ルール」はあった。ただ違反しても罰則はペナルティエリア内の間接FK。危険すぎて主審が事実上一度も取らなかった。あるのに幽霊のようなルールだったわけだ。今回は罰則をコーナーキックに変え、実効性を一気に高めた。コーナーは本当に怖いのだ。

交代選手がピッチを横断して最も遠いタッチラインまでのんびり歩く「お別れ散歩」は過去のものに。ボードが上がったら選手は10秒以内に、しかも最も近い境界線の地点から出なければならない。
もたつけば? 交代選手はすぐには入れない。プレー再開後1分が経過した最初のデッドボールで、ようやく主審の合図を受けて入れる。つまり時間を稼げば、その間チームが一人少なく戦う。見事な自業自得設計だ。

あの名物「ゴロゴロ」。かすっただけなのに芝の上を横に転がり、人類すべての痛みを表現するあの演技だ。これにコストがつく。
フィールドプレーヤーがピッチ上で医療スタッフの治療を受けると、再開後1分間ピッチに入れない(いくつかの例外を除く)。本当に痛いなら当然治療を受けるべきだ。だが「戦術的負傷」で時間を稼ごうとした選手は、1分間チームを数的不利にする。転がって稼いだ時間より失うものが大きい。
まとめると、今大会のメッセージは一行だ。サッカーは90分間流れ続けるべき。キーパーは8秒、交代は10秒、負傷の演技は1分の代償を払う。うまく回れば、アディショナルタイムにリモコンを投げる回数も少し減るだろう。
もちろん選手は新しい抜け道を見つける天才だ。8秒を7秒9で使い切る神業がそのうち登場するはず。それでも方向は明確。ベッドは家で、ピッチではボールを転がそう。